当(あ)て事(こと)も無(な)・い
《予想外だ、の意から》とんでもない。途方もない。「—・い邪推」〈二葉亭・浮雲〉
跡(あと)を絶(た)・ゆ
1 世間をのがれる。姿を隠す。「深き山に—・えたる人だにも」〈源・澪標〉 2 人の行き来や便りがとだえる。「雪深みみ山の道は晴れずともなほふみかよへあとたえずして」〈源・薄雲〉
あなあき‐ぐも【穴空き雲】
薄く層状に広がる巻積雲や高積雲に、円形の隙間が空いた状態。層状の雲を成す過冷却の状態にある雲粒の一部が何らかの原因により凍結し、成長した氷晶が落下することによって空隙が生じる。穴が空いた部分に尾...
あぶら‐ねずみ【油鼠】
油で揚げたねずみ。きつね捕りのえさにする。「罠(わな)のと知りつつ、—の側を去られん老狐(ふるぎつね)の如くに」〈二葉亭・浮雲〉
あぼ‐の‐おおかみ【阿菩大神】
大和三山の争いを仲裁するために出雲から出かけたという神。途中、播磨(はりま)国揖保(いいぼ)郡上岡の里で争いの終わったことを聞き、この地に鎮座。伊保大明神。
あま【天】
《「あめ(天)」の古形》てん。そら。あめ。「あをによし奈良の都にたなびける—の白雲見れど飽かぬかも」〈万・三六〇二〉 [補説]複合語を作ったり、「あまつ」「あまの」の形で体言にかかったりする場合...
あま‐が‐べに【天が紅】
残照に赤く染まった雲。夕焼け雲。おまんがべに。「下紅葉空にうつすや—/朝慶」〈玉海集〉
あま‐ぎら◦う【天霧らふ】
[連語]《動詞「あまぎる」の未然形+反復継続の助動詞「ふ」。上代語》雲や霧などで空一面が曇る。「—◦ひ降り来る雪の消(け)なめども君に逢はむと流らへ渡る」〈万・二三四五〉
あま‐ぎ・る【天霧る】
[動ラ四]雲や霧などのために空が曇る。「かきくもり—・る雪の古郷(ふるさと)をつもらぬさきに訪ふ人もがな」〈新古今・冬〉
あまくさ‐しょとう【天草諸島】
熊本県宇土半島の南西にある島々。上島・下島・大矢野島を主島とし百余の島からなり、地理上は鹿児島県の長島なども含めていう。室町時代末にキリスト教が広まり、隠れキリシタンや殉教者の多くの遺跡がある。...