きり【霧】
《動詞「き(霧)る」の連用形から》 1 地表や海面付近で大気中の水蒸気が凝結し、無数の微小な水滴となって浮遊する現象。古くは四季を通じていったが、平安時代以降、秋のものをさし、春に立つものを霞(...
き・る【霧る】
[動ラ四] 1 霧が立つ。かすむ。「霞(かすみ)立ち春日(はるひ)の—・れるももしきの大宮所(おほみやどころ)見れば悲しも」〈万・二九〉 2 涙で目がかすむ。「目も—・りていみじ」〈源・夕霧〉
くち‐びる【唇/脣】
1 口腔の入り口を囲む薄い皮に覆われた部分。飲食・発音・呼吸の器官。口唇(こうしん)。 2 花びら。「春くれど野べの霞につつまれて花の笑(ゑ)まひの—も見ず」〈永久百首〉
くに‐へ【国方/国辺】
《「くにべ」とも》国の辺り。故郷の方。国。地方。「海原(うなはら)に霞たなびき鶴(たづ)が音の悲しき夕は—し思ほゆ」〈万・四三九九〉
くも‐かすみ【雲霞】
1 雲と霞。 2 「雲を霞(かすみ)と」に同じ。 3 軍勢などの多いこと。うんか。「既に、東武士ども、—の勢ひをたなびき上る由聞こゆれば」〈増鏡・むら時雨〉
雲霧(くもきり)とな・る
火葬にされる。雲霧に紛る。雲霞となる。「はかなき—・らせ給ひぬるは」〈栄花・岩蔭〉
ぐん‐じゅ【群集】
[名](スル)《「くんじゅ」とも》人々が大ぜい群がり集まること。また、その人々。「囲繞—する者、恰も雲霞の如く」〈竜渓・経国美談〉
け‐く【希求】
願い求めること。ききゅう。「仰ぎて見れば、法性の空晴れねど、—の霞さす」〈栄花・鳥の舞〉
けぶ・る【煙る/烟る】
[動ラ五(四)]《「けむる」の古形》 1 「けむる1」に同じ。「御飯を焚(たい)て居て、余り—・りましたから」〈鉄腸・雪中梅〉 2 「けむる2」に同じ。「裏町は—・るように白い砂けむりをあげて」...
けむり【煙/烟】
《「けぶり」の音変化》 1 物が燃えるときに立ちのぼるもの。有機物が不完全燃焼するときに出る気体で、固体の微粒子が浮遊している状態をいうが、液体の微粒子が含まれている場合もある。「—がたちこめる...