にわ‐つ‐とり【庭つ鳥】
[名]ニワトリの古名。「物思ふと寝ねず起きたる朝明(あさけ)にはわびて鳴くなり—さへ」〈万・三〇九四〉 [枕]庭に飼う鳥の意から、「鶏(かけ)」にかかる。「—鶏の垂り尾の」〈万・一四一三〉
ぬえこ‐どり【鵼子鳥】
[名]トラツグミの別名。 [枕]が悲しげな声で鳴くところから、「うら嘆(な)く」に掛かる。「—うらなけ居れば」〈万・五〉
ぬえどり‐の【鵼鳥の】
[枕]鵼鳥がもの悲しく、人を恋い慕うように鳴くところから、「のどよふ」「うら嘆(な)く」「片恋」に掛かる。「—うら嘆けしつつ」〈万・三九七八〉
ぬ‐た【沼田】
1 泥ぶかい田。沼地。ぬまた。「をぐろ崎—のねぬなは踏みしだき日も夕ましに蛙(かはづ)鳴くなり」〈散木集・二〉 2 《猪(いのしし)は、泥の上に枯れ草を集めて寝るというところから》猪の臥床(ふし...
ねず‐なき【鼠鳴き】
1 ネズミが鳴くこと。また、その鳴き声。ねずみなき。「うつくしきもの…雀の子の—するに踊り来る」〈枕・一五一〉 2 人がネズミの鳴き声をまねて出す声。人の注意を促したり、合図をしたりするときにす...
ね‐な・く【音泣く/音鳴く】
[動カ四]声を立てて泣く。また、禽獣などが声をあげて鳴く。「はるかなる声ばかりしてきりぎりす—・くに秋の夜を明かしつる」〈続後撰・秋中〉
音(ね)に立(た)・つ
声を立てる。また、声を出して泣く。「あしびきの山ほととぎす今日とてやあやめの草の—・てて鳴く」〈拾遺・夏〉
音(ね)に泣(な)・く
声を出して泣く。声を立てて鳴く。「わが園の梅のほつ枝に鶯の—・きぬべき恋もするかな」〈古今・恋一〉
のだ‐の‐たまがわ【野田の玉川】
六(む)玉川の一。宮城県多賀城市の川。千鳥の名所。千鳥の玉川。[歌枕]「夕されば潮風こして陸奥(みちのく)の—千鳥鳴くなり」〈新古今・冬〉
の‐つ‐とり【野つ鳥】
[枕]《「つ」は「の」の意の格助詞》野にいる鳥の意から、「きぎし」にかかる。「—雉(きぎし)はとよむ家つ鳥かけも鳴く」〈万・三三一〇〉