いろ‐ふし【色節】
1 晴れがましい行事。また、その折。「下仕(しもつか)へ、手振りなどが具し行けば、—にいでたらむ心地していまめかし」〈かげろふ・上〉 2 色調。色彩。「万(よろづ)の物の綺羅、飾り、—も、夜のみ...
あから‐さま
[形動][文][ナリ] 1 包み隠さず、明らかなさま。また、露骨なさま。「—に非難する」「—な敵意を示す」 2 物事が急に起こるさま。にわかなさま。「嗔猪(いかりゐ)、草中より—に出でて人を逐(...
あじゃら【戯】
おどけ。たわむれ。冗談。かりそめ。「—が誠になるわいな」〈伎・幼稚子敵討〉
あし‐の‐かりね【葦の仮寝】
《「葦を刈る」の「刈る」を「仮寝」の「仮」に言い掛けたもの》かりそめに寝ること。仮寝。「夏刈(なつがり)の—もあはれなり玉江の月のあけがたの空」〈新古今・羇旅〉
あずき‐な・し
[形ク]《「あじきなし」の上代語形》満足できない。ふさわしくない。無益だ。「なかなかに黙(もだ)もあらましを—・く相見そめてもあれは恋ふるか」〈万・二八九九〉
あたり‐あたり【辺り辺り】
そのあたり、このあたり。ここかしこ。「ものはかなげなる小柴垣を大垣にて、板屋ども、—いとかりそめなり」〈源・賢木〉
あだ【徒】
[形動][文][ナリ] 1 実を結ばずむなしいさま。無益なさま。むだ。「せっかくの好意が—になる」 2 浮ついたさま。不誠実で浮気っぽいさま。「—なる恋にはあらで、女夫(めおと)の契を望みしなり...
いやしく‐も【苟も】
[副]《形容詞「いやし」の連用形+係助詞「も」から》 1 仮にも。かりそめにも。「—人の上に立つ者のすべきことではない」 2 もしも。万一。「—これが事実なら、早急に対処すべきだ」 3 (あとに...
いろ‐よ・い【色好い】
[形][文]いろよ・し[ク] 1 こちらの望みにそうようなさま。都合がよい。好ましい。主に連体形が用いられる。「—・い返事」 2 容姿が美しい。「—・き人を見そめて」〈浮・好色袖鑑〉
咳唾(がいだ)珠(たま)を成(な)す
《趙壱「刺世疾邪賦」から》かりそめに出た言葉も、珠玉のように美しいものである。詩文の才が非常にすぐれていることのたとえ。