ことば‐の‐つゆ【言葉の露】
1 言葉の美しいこと、また、はかないことを露にたとえていう語。「—のたまづさの、心の花も色添ひて」〈謡・井筒〉 2 重陽の節句に作られた詩歌を、菊の露にちなんで露にたとえた語。「九重のとのへも匂...
駒(こま)の足掻(あが)き
時が過ぎていくことのたとえ。また、時の過ぎるのが速いことのたとえ。
衣(ころも)の裏(うら)の珠(たま)
《「法華経」五百弟子受記品に書かれた故事から》過去に大乗の教えを授けられたのに忘れてしまって悟れずにいたのが、今釈尊の教えによって悟ることができたというたとえ。また、本来持っていた仏性のたとえ。...
乞食(こじき)が赤包(あかづつ)み
《みすぼらしい乞食がはでな赤い包みを持つ意から》不似合いなことのたとえ。また、身分不相応な物を持つことのたとえ。
鹿(しか)を指(さ)して馬(うま)となす
《「史記」秦始皇本紀にある、秦の趙高(ちょうこう)が、自分の権勢を試そうとして、鹿を馬であるといつわって皇帝に献上した故事から》人を威圧して、まちがいを押し通すことのたとえ。また、人をだましてお...
榻(しじ)の端書(はしが)き
男の恋心の切実さのたとえ。また、思うようにならない恋のたとえ。昔、男が女との恋を成就するために、百夜通ったら会おうという女の言葉に従って99夜通い、榻にその印をつけたが、あと1夜というときに差し...
さん‐しゃ【三車】
法華経譬喩品(ひゆほん)に説くたとえ。ある長者の家が火事になったとき、家の中の子供たちに羊(よう)車・鹿(ろく)車・牛(ご)車を与えるからと言って屋外に避難させた。長者を仏に、火事の家をこの世に...
権兵衛(ごんべえ)が種(たね)蒔(ま)きゃ烏(からす)がほじくる
人のしたことを、あとから打ち壊すたとえ。また、無駄骨折りのたとえ。
砂上(さじょう)の楼閣(ろうかく)
見かけはりっぱであるが、基礎がしっかりしていないために長く維持できない物事のたとえ。また、実現不可能なことのたとえ。 [補説]「机上の空論」との混同で、「机上の楼閣」とするのは誤り。
乞食(こじき)が米(こめ)を零(こぼ)したよう
ちょっとしたことに大騒ぎをすることのたとえ。また、困窮している者がいっそう窮することのたとえ。