おもい‐い・る【思い入る】
[動ラ五(四)]いちずに思う。深く心に思う。また、思い詰める。「仔細(しさい)は語らず唯(ただ)—・ってそう言うた」〈鏡花・高野聖〉
[動ラ下二]深く心に留める。「—・れたる心ざし、見るに涙...
おもい‐うん・ず【思ひ倦んず】
[動サ変]嫌になる。煩わしく思う。「むげにこそ—・じにしか。などさる者をば置きたる」〈枕・八三〉
おもい‐か・く【思ひ掛く/思ひ懸く】
[動カ下二] 1 予測する。「浅茅原はかなく置きし草の上の露をかたみと—・けきや」〈新古今・哀傷〉 2 恋い慕う。恋しく思う。「男、—・けたる女の、え得(う)まじうなりての世に」〈伊勢・五五〉
おもい‐がお【思ひ顔】
1 (多く「…とおもいがお」の形で)…と思っている顔つき。「いぎたなしと—にひきゆるがしたる」〈枕・二八〉 2 恋しいと思っているような顔つき。「夜(よ)のほどもうしろめたきは花の上を—にてあか...
おもい‐すま・す【思ひ澄ます】
[動サ四] 1 心を静める。心を落ち着けて考える。「宮の中将、谷にむかひたる高欄に押しかかりて、—・したるに」〈狭衣・二〉 2 俗念を去って仏道に専念する。「世を—・したる尼君たちの」〈源・賢木〉
おもい‐そ・む【思ひ染む】
[動マ四]深く思い込む。強く決心する。「いとかりそめに入りし山の、やがて出でじとさへ—・みぬ」〈幻住庵記〉
[動マ下二]深く心中に思う。深くかわいがる。「子ども多くはべれど、これはさまことに...
おもい‐つ・く【思い付く】
[動カ五(四)] 1 ある考えがふと心に浮かぶ。考えつく。「いいアイデアを—・く」 2 忘れていたことを思い出す。「急用を—・く」 3 思いを寄せる。好意をもつ。恋い慕う。「頗(すこぶ)る付き...
おもい‐つら・ぬ【思ひ連ぬ】
[動ナ下二]いろいろのことを思い続ける。「つつましくする事どもを—・ねて書きたるも」〈十六夜日記〉
おもい‐で【思い出】
1 過去に自分が出会った事柄を思い出すこと。また、その事柄。「—にひたる」 2 あることを思い出すよすがになるもの。「旅の—に写真を撮る」 [補説]書名別項。→思ひ出
おもい‐な・す【思い做す】
[動サ五(四)] 1 …のように心に受け取る。思い込む。「センチメンタルな彼を一個超人のようなと—・している友だちさえあった」〈佐藤春夫・都会の憂鬱〉 2 推定して、それと決める。「おのづから、...