ゆき‐ぎえ【雪消え】
雪がとけて消えること。また、その時。ゆきげ。「—に摘みて侍るなりとて、沢の芹(せり)、峰の蕨(わらび)など奉りたり」〈源・椎本〉
ゆきぎえ‐づき【雪消え月】
陰暦2月の異称。
ゆき・く【行き来/往き来】
[動カ変]行ったり来たりする。往来する。「葦屋(あしのや)の菟原処女(うなひをとめ)の奥つ城(き)を—・くと見れば音のみし泣かゆ」〈万・一八一〇〉
ゆき‐くら・す【行き暮らす】
[動サ四]《「ゆきぐらす」とも》日の暮れるまで行く。「越の海の信濃(しなぬ)の浜を—・し長き春日(はるひ)も忘れて思へや」〈万・四〇二〇〉
ゆき‐くれ【行き暮れ】
目的地に行く途中で日が暮れること。「宿借らむ行方も見えずひさかたの天の河原の—の空」〈千五百番歌合・一四〉
ゆき‐く・れる【行(き)暮れる】
[動ラ下一][文]ゆきく・る[ラ下二]歩いているうちに日が暮れる。目的地に行く途中で日が暮れる。「道に迷って—・れる」
ゆき‐ぐつ【雪沓】
雪道を歩くときに履く、深いわらぐつ。《季 冬》「—も脱がで炉辺の話かな/子規」
ゆき‐ぐに【雪国】
雪の多い地方。《季 冬》
ゆきぐに【雪国】
川端康成の小説。昭和10〜12年(1935〜1937)、さらに昭和22年(1947)発表。雪国の温泉町を舞台に、無為徒食の男島村と芸者駒子との交情を通し、人間の宿命的な生の悲しみを描いた叙情的作品。
ゆき‐ぐも【雪雲】
雪を降らせる雲。俗に、乱層雲のこと。《季 冬》