やまとものがたり【大和物語】
平安中期の歌物語。作者未詳。天暦(947〜957)ごろの成立、のち増補されたといわれる。和歌を主とし、恋愛・伝説などを主題とする170余編の説話を収録。
やみのおく【闇の奥】
《原題Heart of Darkness》コンラッドの中編小説。1899年発表。欧州文明による植民地支配を主題とする。
やみのなかのくろいうま【闇のなかの黒い馬】
埴谷雄高(はにやゆたか)の短編連作小説。副題は「夢についての九つの短篇」。作者が主題とする「存在」を、夢の中から幻想的に表現する。昭和45年(1970)発表。同年、第6回谷崎潤一郎賞受賞。
ゆうれいき【幽霊記】
長尾宇迦(ながおうか)による短編小説。副題「小説・佐々木喜善」。柳田国男の「遠野物語」を主題とする。昭和62年(1987)、「別冊文芸春秋」180号に掲載、直木賞候補作となる。
りゅうせいう【流星雨】
津村節子の歴史小説。会津戦争を主題とする。昭和63年(1988)から平成元年(1989)まで「世界」誌に連載。平成2年(1990)刊行。同年、第29回女流文学賞受賞。
リュトブフのしゅうそ【リュトブフの愁訴】
《原題、(フランス)La Complainte Rutebeuf》リュトブフの詩。近代的な叙情詩につながる、個人的感情を主題とした作品。
りょしゅう【旅愁】
横光利一の小説。昭和12〜21年(1937〜46)発表。未完。パリを主要舞台として矢代と千鶴子との恋愛を軸に、東洋と西洋、伝統と科学などの問題を主題にした作品。
りんごのうた【リンゴの唄】
流行歌。サトウ・ハチロー作詞、万城目正作曲、並木路子歌。昭和20年(1945)の映画「そよかぜ」の主題歌で、第二次大戦後初の大ヒット曲。
ルチンデ【(ドイツ)Lucinde】
シュレーゲルの小説。1799年刊。著者自身の恋愛を主題とした小説で、官能的描写などが物議をかもした。
るつぼ
《原題The Crucible》アーサー=ミラーによる戯曲。1953年、ニューヨークにて初演。17世紀の魔女裁判を主題としつつ、執筆当時のアメリカのマッカーシズムを強く批判した作品。