けいせい‐かい【傾城買い】
1 遊里で遊女を買って遊ぶこと。女郎買い。 2 歌舞伎で、遊女を買って遊ぶようすを扱った場面。また、その演出。島原狂言で形式が確立し、元禄上方歌舞伎の特徴となった。傾城事。
けいせいかいしじゅうはって【傾城買四十八手】
洒落本。1冊。山東京伝作・画。寛政2年(1790)刊。客と遊女の恋の手管を会話体で描いたもの。
けいせいかいふたすじみち【傾城買二筋道】
洒落本。1冊。梅暮里谷峨(うめぼりこくが)作。寛政10年(1798)刊。うぬぼれ者の好男子と誠実な醜男との、遊女に対する二つの態度を対照的に描き、人情本への移行の過程をも示している。
けいせいきんたんき【傾城禁短気】
浮世草子。6巻。江島其磧(えじまきせき)作。正徳元年(1711)八文字屋刊。1巻4話からなる色道論。
けいせい‐ぐるい【傾城狂ひ】
[名](スル) 1 美女の色香に迷うこと。「大酒を飲んで—をするぞ」〈史記抄・高祖本紀・八〉 2 遊女遊びに夢中になること。「人間一生のうちに一たびは—に取り乱さぬといふ事ひとりなし」〈浮・織留・三〉
けいせい‐づか【傾城柄】
(「傾城柄を握る」などの形で)遊女遊びに通暁していること。「此の男も—を握ったなれのはてぢゃ」〈伎・仏の原〉
傾城(けいせい)に誠(まこと)なし
遊女が客に誠意をもって接するはずがない。遊女の言うことを信頼できない。
けいせいはんごんこう【傾城反魂香】
浄瑠璃。時代物。三段。近松門左衛門作。宝永5年(1708)大坂竹本座初演。名古屋山三(さんざ)に狩野派や土佐派の絵師らをからませた御家物。「吃又(どもまた)」のくだりが有名。
けいせいほとけのはら【傾城仏の原】
歌舞伎狂言。時代物。三番続き。近松門左衛門作。元禄12年(1699)京都都(みやこ)万太夫座初演。坂田藤十郎の俏(やつ)し事を主眼とする御家物の代表作。
けいせい‐まち【傾城町】
遊里。遊郭。いろまち。「—を通れば、やがて衣の袖をひかれ」〈咄・きのふはけふ・下〉