其処(そこ)とな・し
どこと特定するわけでなく、全体にわたっている。一帯にわたっている。「—・く山路は雪にうづもれて名を頼みこし白川の関」〈夫木・二一〉
其処(そこ)とも知(し)ら◦ず
どこをどうということもなく。どこともわからない。「思ふどち—◦ず行き暮れぬ花の宿かせ野辺のうぐひす」〈新古今・春上〉
そこ‐どころ【其処所】
[名](あとに打消しの語を伴って用いる)それどころ。「娘は—で無いから頻りに迫る」〈風葉・青春〉
[代]中称の指示代名詞。 1 どこそこの所。「—ともなくいみじく苦しくし給ひて」〈源・若菜下...
そこ‐な【其処な】
[連体]《「そこなる」の音変化》そこにいる。そこにある。そこの。「顔を上げて—男女(ふたり)を見ることが出来ぬ」〈鏡花・高野聖〉
其処(そこ)に山(やま)があるから
⇒山が其処にあるから
そこ‐のけ【其処退け】
1 「其方退(そっちの)け」に同じ。「もう勝負は—のありさまで」〈康成・抒情歌〉 2 名詞に付いて、それをしのぐほどりっぱであるということを表す。はだし。「本職—の腕前」
其処(そこ)へ持(も)って来(き)て
さらに加えて。そのうえ。「雨がやまなかった。—風がひどく吹き出した」
其処(そこ)へ行(ゆ)くと
そういう点からいうと。その点に関しては。「宮仕えは窮屈だ。—自営業は気楽だ」
そこ‐ほど【其処程】
[代]中称の指示代名詞。そこらあたり。そこら。「このごろの人の家の—にてぞありけんと覚え」〈徒然・七一〉
そこ‐もと【其処許】
[代] 1 中称の指示代名詞。そこ。そこの所。そこらへん。「—は落ちたる所侍り」〈枕・一二〇〉 2 二人称の人代名詞。同輩またはそれ以下の者をさす。そなた。そのもと。主に武士が用いた。「—へ推参...