ひさ‐かた【久方/久堅】
《枕詞「久方の」がかかるところから》天・空・月などのこと。「—の中に生ひたる里なれば光をのみぞ頼むべらなる」〈古今・雑下〉
ひさかた‐の【久方の】
[枕]「天(あめ・あま)」「空」「月」「雲」「雨」「光」「夜」「都」などにかかる。「うらさぶる心さまねし—天(あめ)のしぐれの流れあふ見れば」〈万・八二〉 「—月は照りたり暇(いとま)なく海人(...
ひた‐くれない【直紅】
[名・形動ナリ]全体に紅色であること。また、そのさま。「誰が蒔(ま)きし紅なれば三輪山を—に匂はせるらむ」〈古今六帖・五〉 [補説]書名別項。→ひたくれなゐ
ひと‐かた【一方】
[名] 1 「一人(ひとり)」を敬っていう語。「もうお—お乗りになれます」 2 いっぽうの人。片方。「今—の御心乱れまさるに」〈浜松・二〉
[形動][文][ナリ] 1 程度が普通であるさま。...
人(ひと)古今(ここん)に通(つう)ぜざるは馬牛(ばぎゅう)にして襟裾(きんきょ)す
《韓愈「符読書城南」から》古今の道理を解さない無学な人は、馬や牛が衣服を着たようなもので、人としての価値がない。
ひと‐の‐よ【人の代/人の世】
1 人間の世界。世の中。 2 神代に対して、神武天皇以後の人皇(にんのう)の時代。「—となりて、すさのをのみことよりぞ、みそもじあまりひともじはよみける」〈古今・仮名序〉
ひと‐の‐わざ【人の業】
死者の追善のための仏事。法事。「下つ出雲寺に—しける日」〈古今・恋二・詞書〉
ひとめ‐づつみ【人目包み】
人の見る目をはばかって隠れること。和歌では、「包み」を「堤(つつみ)」に掛けて用いることが多い。「思へども—の高ければ河とみながらえこそ渡らね」〈古今・恋三〉
ひのくま‐がわ【檜隈川】
奈良県高市郡明日香村檜前(ひのくま)の付近を流れる川。高取川。[歌枕]「ささのくま—に駒とめてしばし水かへ影をだに見む」〈古今・神遊びの歌〉
ひ‐の‐みかげ【日の御蔭】
1 《日の光の陰になる所の意》宮殿。「高知るや天(あめ)の御陰天知るや—の」〈万・五二〉 2 日の神、すなわち天照大神(あまてらすおおみかみ)の神徳。「宮柱下つ岩根にしきたててつゆも曇らぬ—かな...