あ‐いろ【文色】
《「あやいろ」の音変化》模様。また、物のようす。多くあとに打消しの語を伴う。文目(あやめ)。「ものの—もわかたないほどに暮れかけたが」〈里見弴・多情仏心〉
あお・る【煽る】
[動ラ五(四)] 1 うちわなどで風を起こす。また、風が火の勢いを強める。「うちわで—・って火をおこす」 2 風が物を揺り動かす。また、風を受けて物が動く。「強風にテントが—・られる」「通路の扉...
あに‐き【兄貴】
1 兄を敬って、または、親しんでいう語。 2 若者・職人・やくざなどの間で、勢力があり、頭株(かしらかぶ)に推される者。「—分」 3 年上の男。「君は僕より—だし、経験にも富んどるし」〈紅葉・多...
あり‐がたち【有り形】
《「ありかたち」とも》そのままのありさま。現在ある形。ありかた。「自然を歪(ゆが)めずに、—のまま玩具(おもちゃ)にする」〈里見弴・多情仏心〉
いか‐な【如何な】
《「いかなる」の音変化》 [連体] 1 どんな。どのような。「—名人でも簡単にはできまい」 2 さすがの。「—先生も年には勝てない」〈藤村・夜明け前〉 [副](あとに打消しの語を伴って)どう...
いく‐たて
物事のなりゆき。いきさつ。「何かそこにもっと深い—でもあるのか」〈里見弴・多情仏心〉
いちじょう‐いちげ【一上一下】
《上から切りおろし、下から切り払う意から》 1 上がったり下がったりすること。「肉叉(フオーク)と食刀(ナイフ)を十文字に構えたが、梭(おさ)を投げるように左右の—するのを」〈紅葉・多情多恨〉 ...
いっか‐な【如何な】
《「いかな」の促音添加》 [副](あとに打消しの語を伴って)どうしても。どのようなことをしても。何としても。「子供は—手を離さなかった」〈里見弴・多情仏心〉 [連体]どのような。どんな。「さ...
いっさん‐ばしり【一散走り/逸散走り】
わき目も振らず夢中になって走ること。「いきなり—に駈けだした」〈里見弴・多情仏心〉
いわ・く【結く】
[動カ五(四)]「いわえる」に同じ。「乃公(おれ)が舐(な)めて遣ったり、—・いて遣ったり」〈紅葉・多情多恨〉 [可能]いわける