かた‐じん【堅人】
律儀な人。かたぶつ。「ちと偏屈すぎた—なのでしょうが」〈里見弴・多情仏心〉
かた‐ず・む【片ずむ/偏む】
[動マ五(四)]一方へかたよる。「右なら右、左なら左へ—・んだ揺れ方をしているような奴は」〈里見弴・多情仏心〉 [補説]「ずむ」の歴史的仮名遣いは未詳。「かたづむ」とも。
かん‐もく【緘黙】
[名](スル) 1 口を閉じて何も言わないこと。押し黙ること。「新聞が一時に—して了っただけに」〈里見弴・多情仏心〉 2 「緘黙症」の略。→無言症
き‐ぐみ【気組(み)】
物事に取り組む心構え。意気込み。気構え。「明日が日無一文になろうとも驚かないだけの—もあったが」〈里見弴・多情仏心〉
きっ‐たて【切っ立て】
1 切ったように垂直にそびえていること。また、そのもの。「—の総二階」〈里見弴・多情仏心〉 2 仕立てたばかりの衣服。仕立ておろし。「—の半被(はっぴ)」〈鏡花・註文帳〉
きょろり
[副] 1 目を大きくはっきりと見開いているさま。「ふたえの—とした眼もとに」〈里見弴・多情仏心〉 2 平気なさま。けろり。「盗人はまゐりますまいと言うて、—として居るぢゃ」〈松翁道話・三〉
き‐よう【器用】
[名・形動] 1 からだを思うように動かして、芸事・工作などをうまくこなすこと。また、そのさま。「手先が—だ」「—に箸(はし)を使う」 2 要領よく、いろいろな物事を処理すること。また、そのさま...
くれ‐ぐれ【暮れ暮れ】
日が暮れようとするころ。暮れ方。夕方。「其日の—に母親は還(もど)って来たのである」〈紅葉・多情多恨〉
け‐つ・ける【蹴付ける】
[動カ下一][文]けつ・く[カ下二]強くける。けりつける。「—・けてお出額(でこ)を打毀(ぶっか)いた義(わけ)じゃないさ」〈紅葉・多情多恨〉
こ‐ぎ・る【小切る】
[動ラ五(四)] 1 小さく区切る。「彼の体を心配して…お豊が酒を—・るのも」〈里見弴・多情仏心〉 2 値切る。「値段はもっと—・ることが出来るし」〈武田・銀座八丁〉