いん‐しん【陰森】
[ト・タル][文][形動タリ] 1 樹木が生い茂って暗いさま。「—として、日を蔽う森の梢を仰ぎ見て」〈魯庵・社会百面相〉 2 薄暗くてもの寂しいさま。「さらぬだに—たる夜色は益す冥(くら)く」〈...
いんしん‐ふつう【音信不通】
「おんしんふつう」に同じ。「僅の行違から—の間になつて」〈紅葉・金色夜叉〉
おどろ‐おどろ
[副]いかにも激しく恐ろしいさま。「山颪の絶えず—と吹廻(ふきめぐ)りて」〈紅葉・金色夜叉〉
おん‐よう【音容】
声と姿。「—幻を去らずして、幾(ほとほ)と幽明の界を弁ぜず」〈紅葉・金色夜叉〉
かい‐さぐ・る【掻い探る】
[動ラ五(四)]《「かきさぐる」の音変化》手で、触ってようすをみる。「袂の中を—・りて、揉皺(もみしわ)みたる二通の書類を取出しつ」〈紅葉・金色夜叉〉
かい‐しん【快心】
気持ちのよいこと。また、よい気持ち。「彼が其の夕にして瞑せんとする—の事とは何ぞ」〈紅葉・金色夜叉〉
かい‐ぜん【塊然】
[ト・タル][文][形動タリ]孤立しているさま。また、不動であるさま。「枯野の広きに—として横たわる石」〈紅葉・金色夜叉〉
かた‐え・む【片笑む】
[動マ四]片ほおに笑みを浮かべる。微笑する。「貝の如き前歯と隣れる金歯とを露して—・みつつ」〈紅葉・金色夜叉〉
かたし【片し/片足】
《「かたあし(片足)」の音変化》 1 二つあるもののうちの一つ。片方。「薩摩下駄の—も投散されたる中に」〈紅葉・金色夜叉〉 2 一方の足。片足(かたあし)。「お里は踏脱(くつぬぎ)へ—おろして」...
か‐ちゅう【火中】
[名](スル) 1 燃えている火の中。 2 火の中に物を入れて焼くこと。「貫一は例に因りて封のまま—してけり」〈紅葉・金色夜叉〉