か‐の‐きし【彼の岸】
「彼岸(ひがん)」を訓読みにした語。涅槃(ねはん)。「いと罪深かなることにこそ。—に到ることなどか。さしもあるまじき事にて」〈源・早蕨〉
か‐の‐さま【彼の様】
[代]三人称の人代名詞。 1 あのおかた。「頼うだる人は、いつも—へ行く折は、酒をくれらるるが」〈狂言記・抜殻〉 2 女性が愛人をさしていう語。「鶏(とり)を限りに—待てば」〈松の葉・一〉
か‐の‐も【彼の面】
あちらの表面。向こう側。「つくばねのこのも—に影はあれど君がみかげにます影はなし」〈古今・東歌〉
か‐の‐よ【彼の世】
あの世。来世。「—にさへ(極楽往生ヲ)妨げ聞こゆらむ罪のほどを」〈源・総角〉
かれのせんぼう【彼の羨望】
武者小路実篤の小説。昭和23年(1948)「小説新潮」7月号に掲載。「山谷(さんや)もの」の第1作。