た‐の・む【手飲む】
[動マ四]手ですくって飲む。和歌で、多く「頼む」に掛ける。「山城の井手の玉水手にむすび—・みしかひもなき世なりけり」〈伊勢・一二二〉
た‐ばさみ【手挟み】
神社建築などで、向拝柱の斗栱(ときょう)と垂木(たるき)との間に取り付けられた板。刳(く)り形などの装飾が施される。
た‐ばさ・む【手挟む】
[動マ五(四)] 1 手や脇にはさんで持つ。「弓矢を—・む」「書類を—・む」 2 腰に帯びる。「大小ヲ腰ニ—・ム」〈和英語林集成〉
た‐ばなれ【手離れ/手放れ】
手を離れること。別れること。「防人(さきもり)に立ちし朝明(あさけ)の金門出(かなとで)に—惜しみ泣きし児らはも」〈万・三五六九〉
た‐ひ【手火】
手に持って道などを照らす火。たいまつ。「神の皇子(みこ)の出(い)でましの—の光そここだ照りたる」〈万・二三〇〉
たふし‐の‐さき【手節の崎】
三重県鳥羽市答志島(とうしじま)北東端の黒崎周辺の古称。[歌枕]「くしろ着く—に今日もかも大宮人の玉藻刈るらむ」〈万・四一〉
た‐ぶさ【腕/手房】
て。てくび。また、うで。「折りつれば—にけがる立てながら三世の仏に花奉る」〈後撰・春下〉
た‐まき【手纏/環/鐶】
《手に巻くものの意》 1 上代の装身具。玉や鈴にひもを通して手に巻いたもの。くしろ。 2 弓を射るとき、左のひじを覆う籠手(こて)。弓籠手(ゆごて)。〈和名抄〉
手纏(たまき)の端(はし)無(な)きが如(ごと)し
環状の手纏のように、いつまでも巡り巡って、終わるところのないたとえ。
た‐まくら【手枕】
腕を枕として眠ること。てまくら。「朝寝髪我は梳(けづ)らじ愛(うるは)しき君が—触れてしものを」〈万・二五七八〉