くらがり‐とうげ【暗峠/闇峠】
大阪府東大阪市と奈良県生駒市との境にある、生駒山地の峠。近世、暗越奈良街道の交通の要地。
暗(くら)がりに鬼(おに)を繋(つな)・ぐ
正体が知れず、気味が悪いたとえ。暗がりの鬼。「この人は、表向き軽うして内証の強き事、—・ぐがごとく」〈浮・永代蔵・四〉
暗(くら)がりの犬(いぬ)の糞(くそ)
失敗を押し隠し、知らん顔をすることのたとえ。
くら‐が・る【暗がる】
[動ラ四]暗くなる。「山陰の—・りたるところを見れば」〈かげろふ・中〉
くらきミネルバ【暗きミネルバ】
《原題、(イタリア)Minerva oscura》イタリアの詩人、パスコリによる評論。1898年刊行。
くら‐ぐら【暗暗】
[名]薄暗い時刻。日暮れ方。「急ぎ立ちて行く程に、—にぞ家に行き着きたる」〈今昔・二六・一七〉 [副]暗くて物がよく見えないさま。「白雲に跡—と行くかずもとひもやすると思ひけるかな」〈公任集〉
くら‐ごと【暗事】
人に知られないようにしてこっそりと行う事柄。密(みそ)か事。「惣(そう)じてかやうの—、かれこれ四十八ありける」〈浮・一代男・四〉
くら・す【暗す】
[動サ四]悲しみなどで心を暗くする。曇らす。「かきくもり日かげも見えぬ奥山に心を—・すころにもあるかな」〈源・総角〉
くらぶ‐やま【暗部山/闇部山】
鞍馬山の古称。くらぶの山。[歌枕]「梅の花にほふ春べは—闇に越ゆれど著(しる)くぞありける」〈古今・春上〉
くら‐べや【暗部屋】
宮中の局(つぼね)の名。清涼殿の近くというが、正確な位置は不明。「つれづれなる昼つかた、—の方を見やれば」〈讃岐典侍日記・下〉