おおい‐がわ【大堰川】
京都府の桂川の上流の称。
桂川の嵐山渡月橋付近から桂橋までの称。船遊びが行われた。[歌枕]「—うかべる舟の篝火に小倉の山も名のみなりけり」〈後撰・雑三〉
おおえ‐やま【大江山】
京都府北西部、丹波・丹後両地方の境をなす山。標高833メートル。山中に酒呑童子(しゅてんどうじ)が住んだといわれる洞窟(どうくつ)がある。源頼光の鬼退治の地ともされるが、それは京都市西方の老ノ...
おおきみ‐の【大君の】
[枕]天皇に差し掛ける御笠(みかさ)の意から、地名「三笠」にかかる。「—三笠の山のもみち葉は」〈万・一五五四〉
おおくち‐の【大口の】
[枕]大きな口をした真神(まかみ)(狼(おおかみ))の意から、「真神」にかかる。「—真神の原にふる雪は」〈万・一六三六〉
おお‐さき【大前/大前駆】
先払いの声を長く引くこと。「殿上人のは短ければ、—小前(こさき)とつけて聞きさわぐ」〈枕・七八〉
おおしま‐の【大島の】
[枕]島は鳴門(なると)や浦(うら)と縁があるところから、「なると」「うら」にかかる。「—なるとはなしに嘆く頃かな」〈後撰・恋一〉 「—うら悲しげに声の聞こゆる」〈源・玉鬘〉
おおせ‐がき【仰せ書き】
貴人の言葉を書き記すこと。また、その文書。仰せ文。「人づての—にはあらぬなめりと、胸つぶれて、とく開けたれば、紙にはものも書かせ給はず」〈枕・一四三〉
おおせ‐ごと【仰せ言】
仰せられた言葉。お言葉。また、命令のお言葉。「雪は今日までありや、と—あれば」〈枕・八七〉
おおとも‐の【大伴の】
[枕]大伴(現在の大阪辺りをさす地名)にある港「御津(みつ)」と同音の「見つ」にかかる。「—見つとは言はじ」〈万・五六五〉
おおとり‐の【大鳥の】
[枕]大鳥の両翼が重なり合う「羽交い」の意から、地名の「羽易(はがひ)」にかかる。「—羽易の山に」〈万・二一〇〉