き‐ぜん【喟然】
[ト・タル][文][形動タリ]ため息をつくさま。嘆息するさま。「主人の小野里代議士は—として長嘆息を洩らした」〈魯庵・社会百面相〉
き‐ぜん【巋然】
[ト・タル][文][形動タリ]高くそびえ立つさま。「古の劇場の石壁石柱は—として」〈鴎外訳・即興詩人〉
き‐ぜん【毅然】
[ト・タル][文][形動タリ]意志が強くしっかりしていて、物事に動じないさま。「何を言われても—としている」「—たる態度を失わない」
きつ‐ぜん【屹然】
[ト・タル][文][形動タリ] 1 山などが高くそびえ立つさま。「—たる高峰」 2 孤高を保ち周囲に屈しないさま。「自己の本領—として山岳と高きを争い」〈子規・歌よみに与ふる書〉
きゅう‐ぜん【翕然】
[ト・タル][文][形動タリ]多くのものが一つに集まり合うさま。「ふうむ、—たる同情を集めたものだね」〈佐藤春夫・晶子曼陀羅〉
きゅうたい‐いぜん【旧態依然】
[ト・タル][文][形動タリ]もとのままで変化や進歩のないさま。「—とした生活ぶり」
きょう‐ぜん【恟然】
[ト・タル][文][形動タリ]驚き恐れるさま。また、驚き騒ぐさま。恟々。「人心何となく—たり」〈透谷・泣かん乎笑はん乎〉
きょう‐ぜん【跫然】
[ト・タル][文][形動タリ]人の足音がするさま。「靴音の—たるを聞き」〈織田訳・花柳春話〉
きょ‐ぜん【居然】
[ト・タル][文][形動タリ]座って動かないさま。じっとしているさま。「—たる一宿儒を以て、朝野の重んずるところたり」〈露伴・運命〉
きょ‐ぜん【遽然】
[副]にわかであるさま。突然。「忽ち耳を貫く喧囂(けんごう)に、彼は—其眼を開いたのである」〈木下尚江・良人の自白〉