や‐ぐち【矢口】
1 狩り場の口開けに、初めて矢を射ること。また、そのときにする神事や儀式。「其所に於て山神—等を祭らる」〈吾妻鏡・一三〉 2 矢で射られた傷口。「抜き捨つる—より流るる血は滝なって」〈浄・本朝三国志〉
やぐち【矢口】
姓氏の一。 [補説]「矢口」姓の人物矢口史靖(やぐちしのぶ)矢口高雄(やぐちたかお)
やぐち‐たかお【矢口高雄】
[1939〜2020]漫画家。秋田の生まれ。本姓、高橋。釣りをテーマにした「釣りキチ三平」がヒット。自然と人間のかかわりを描いた作品で多くの読者を獲得した。代表作「幻の怪蛇バチヘビ」「マタギ」など。
やぐち‐の‐まつり【矢口の祭(り)】
矢開きのとき、黒・白・赤の3色の餅(もち)を供えて山の神を祭り、射手などに饗応すること。
やぐち‐の‐わたし【矢口の渡】
多摩川にあった渡し場。東京都大田区矢口(異説に東京都稲城市矢野口)にあったという。正平13=延文3年(1358)新田義興が謀殺されたと伝える地。 浄瑠璃「神霊(しんれい)矢口渡」の通称。
や‐ぐら【櫓/矢倉】
1 武器を入れておく倉庫。矢の倉。兵庫。 2 城門や城壁の上につくった一段高い建物。敵状の偵察や射撃のための高楼。 3 ㋐木材や鉄骨などを用いて組み立てた高い構築物。「火の見—」 ㋑祭礼・盆踊り...
やぐら‐おとし【櫓落(と)し】
1 要塞(ようさい)の櫓を突き崩すのに用いる柄の長い槍(やり)。長柄の槍。 2 男子の髪の結い方の一。もと幕内力士の結ったもので、鬢(びん)・髱(たぼ)を十分に張り出したもの。
やぐら‐がこい【矢倉囲い/櫓囲い】
将棋で、囲いの陣形の一。自陣内で王将を金将・銀将などで囲んで守る形。その形を櫓にたとえていい、金矢倉・銀矢倉・総矢倉などがある。
やぐら‐ごたつ【櫓炬燵】
木で組んだ枠の上に布団を掛けた炬燵。
やぐら‐した【櫓下】
1 《江戸時代、劇場の櫓の下に、その名を書いた看板を掲げたところから》人形浄瑠璃で、紋下(もんした)のこと。また、歌舞伎で、座頭(ざがしら)や一座の代表的な俳優。 2 江戸の深川にあった私娼窟(...