せり‐だ・す【迫り出す】
[動サ五(四)] 1 前の方に出っ張る。つき出てくる。「腹が—・す」「観衆が道路に—・す」 2 隠れていたものが表面に出てくる。「次第と現実世界に—・して来る」〈漱石・虞美人草〉 3 上または前...
せん‐いつ【専一】
1 他を顧みないで、ある物事だけに力を注ぐこと。せんいち。「—に学問に励む」「御自愛—に」 2 第一。また、随一。「個人の義務は相手に愉快を与えるが—と思う」〈漱石・虞美人草〉
せん‐びん【蝉鬢】
蝉(せみ)の羽のように透きとおって見える鬢。女性の美しい髪のたとえ。また、美人のこと。「—肩にふり乱れて」〈読・弓張月・続〉
そ‐う【左右】
1 左と右。また、かたわら。さゆう。「—の手」「識(さと)り難くして、—を顧みる」〈今昔・九・二七〉 2 左か右に落ち着くこと。決着。また、その成り行き。「吉(きっ)—」「軍(いくさ)の—を待つ...
そう‐が【双蛾】
《「蛾」は眉(まゆ)の意》美人の眉。「宛転たる—は遠山の色、一たび笑めば百の媚なる」〈海道記〉
そっ‐きょう【即興】
1 その場で起こる興味。「今宵限りの朧(おぼろ)だものと、—にそそのかされて」〈漱石・虞美人草〉 2 その場の感興を即座に詩歌や音楽などに作ること。「—の歌をよむ」
そ‐よう【楚腰】
《楚の霊王が、腰の細い美人を好んだという故事から》美人の細い腰。柳腰(やなぎごし)。
そらっ‐とぼ・ける【空っ惚ける】
[動カ下一]「そらとぼける」に同じ。「あら待ってた癖に—・けて」〈漱石・虞美人草〉
たいえき‐の‐ふよう【太液の芙蓉】
《白居易「長恨歌」から》太液に咲く蓮(はす)の花。美人の顔にたとえる。
たい‐じょう【太上】
1 最もすぐれたもの。きわめてよいもの。最良。「—は形を離れて普遍の念に入る」〈漱石・虞美人草〉 2 天子の尊称。