ゆくさ‐くさ【行くさ来さ】
行く時と来る時。「白菅(しらすげ)の真野の榛原(はりはら)—君こそ見らめ真野の榛原」〈万・二八一〉
ゆく‐すえ【行く末】
1 これから先のなりゆき。前途。将来。行く先。「子供の—を心配する」 2 進んで行く道の果て。行く手。「流れ出づる涙の川の—はつひに近江の海とたのまむ」〈後撰・恋五〉 3 余命。老いさき。「—短...
ゆく‐せ【行く瀬】
水の流れていく川の瀬。「吉野川—の早みしましくも淀(よど)むことなくありこせぬかも」〈万・一一九〉
ゆく‐たて【行く立て】
事のなりゆき。いきさつ。「これにはいろんな—もございますし」〈逍遥・当世書生気質〉
ゆく‐て【行く手】
1 進んで行く方向。進んで行く前方。行く先。「—を阻む」 2 前途。将来。「—に困難が待ち受ける」 3 行くついで。「冬来れば—に人は汲まねども氷ぞ結ぶ山の井の水」〈千載・冬〉
ゆく‐とし【行く年】
過ぎ去っていく年。暮れいく年。《季 冬》「—のともし火なりと明うせよ/虚子」
行(ゆ)くとして可(か)ならざるは無(な)し
何をやっても、みな十分の成果をあげることができる。
ゆくとり‐の【行く鳥の】
[枕]飛ぶ鳥が先を争うようにの意で「争ふ」に、また、群れをなして飛び立つところから「群がる」にかかる。「露霜の消なば消ぬべく—争ふはしに」〈万・一九九〉 「舎人(とねり)の子らは—群がりて待ち」...
行(ゆ)くに径(こみち)に由(よ)らず
《「論語」雍也(ようや)から》裏道や小道などを通らない。常に正道を歩いて公明正大であることのたとえ。
ゆくはる【ゆく春】
薄田泣菫の詩集。明治34年(1901)刊行。