ひとえ‐ぎぬ【単衣】
公家男女の装束の下に肌着として用いた裏のない衣。平安末期に小袖肌着を着用するようになると、その上に重ねて着た。地質は主に綾や平絹で、綾の文様は菱(ひし)、色は紅・白・青など。
ひとはな‐ごろも【一花衣】
染め汁に1回だけ浸したほどの淡い色の衣。「紅の—薄くともひたすらくたす名をしたてずは」〈源・末摘花〉
ひ‐の‐ころも【緋の衣】
高位の僧が勅許を得て着た緋色の衣。
びゃく‐え【白衣】
1 白色の衣服。はくい。 2 白小袖に指貫(さしぬき)または袴をつけただけの姿。「大口許(ばか)りに—にて、長押(なげし)に尻懸け」〈盛衰記・一三〉 3 僧が黒衣を着けずに白い下着だけでいること...
ふ‐い【布衣】
《昔、中国で、庶民は布(ふ)の衣を着たところから》官位のない人。庶民。→ほい(布衣)
ふじ‐ごろも【藤衣】
1 藤づるの皮の繊維で織った粗末な衣服。ふじのころも。「穂にもいでぬ山田をもると—稲葉の露にぬれぬ日ぞなき」〈古今・秋下〉 2 麻布で作った喪服。ふじのころも。「—露けき秋の山びとは鹿のなく音(...
ふじ‐の‐ころも【藤の衣】
「ふじごろも」に同じ。「—の袖しほれはててぞ立ちたりける」〈保元・下〉
ふたつ‐ぎぬ【二つ衣】
袿(うちき)を2枚重ねたもの。ふたつおんぞ。
ふゆ‐ごろも【冬衣】
冬に着る衣服。
ふる‐ごろも【古衣】
《「ふるころも」とも》 [名]着古した衣服。古着。ふるぎぬ。「—打棄(うちつ)る人は秋風の立ち来る時に物思ふものそ」〈万・二六二六〉
[枕]
が砧(きぬた)でまた打つものであるところから、「...