そえ‐うた【諷歌】
古今集仮名序にいう和歌の六義(りくぎ)の一。他の事にこと寄せて思いを詠む歌。諷喩(ふうゆ)の歌。
そえ‐こと【諷言】
《「そえごと」とも》事物になぞらえるなどの技巧を用いた、当意即妙の言葉や和歌。「—と名付けて聞きも知らぬ歌の一両句など言ひかくることあり」〈無名抄〉
ふう【諷】
[音]フウ(漢) 1 節をつけてとなえる。「諷詠・諷誦(ふうじゅ)」 2 遠回しに言う。「諷意・諷諫(ふうかん)・諷刺・諷喩(ふうゆ)」 [補説]2は「風」と通用する。
ふう‐い【諷意】
遠まわしに示された意味。ほのめかした気持ち。「小説に—を寓して世を誡むるの力あるは」〈逍遥・小説神髄〉
ふう‐えい【諷詠】
[名](スル)詩歌を作ったり、吟じたりすること。「花鳥—」
ふうえいじゅうにがつ【諷詠十二月】
三好達治の詩歌論。12か月のそれぞれの月ごとに、古今の名歌や名句を著者が選び、解説したもの。昭和17年(1942)刊行。
ふう‐かい【諷戒】
[名](スル)遠まわしにいましめること。「『源氏物語』を評論して、時世を—せし書ぞといい」〈逍遥・小説神髄〉
ふう‐かん【諷諫】
[名](スル)遠まわしに忠告すること。また、その忠告。「細君の顔には多少—の意が現れていた」〈漱石・道草〉
ふう‐げん【諷言】
[名](スル)それとなく戒めること。また、その言葉。諷語(ふうご)。「僕常に君に—すれども君必ずこれに反すれば」〈織田訳・花柳春話〉
ふう‐ご【諷語】
[名](スル)「諷言(ふうげん)」に同じ。「世間には—と云うがある」〈漱石・趣味の遺伝〉