すやり‐がすみ【すやり霞】
大和絵、特に絵巻物で、横に長く棚引く霞。鎌倉時代以降、遠近感を与え、また場面を転換するために用いた。槍霞(やりがすみ)。
ちょうじ‐がすみ【丁子霞】
日本画で、構図を引き締めるために画面の上下または中途に金箔・砂子(すなご)などで描かれる、かすみのたなびく形。
とう‐か【登遐/登霞】
《遠い天に登る意》天子の崩御をいう語。「—の日に際して諸王の葬に会するを欲せざらば」〈露伴・運命〉
はつ‐がすみ【初霞】
新春の野山にたなびく霞。《季 新年》「—川は南へ流れけり/月斗」
はな‐がすみ【花霞】
満開の桜の花が、遠目には霞がかかったように白く見えること。
はる‐がすみ【春霞】
《室町時代ごろまでは「はるかすみ」》 [名]春の霞。《季 春》「洛陽の朝餉(あさげ)過ぎたり—/蓼太」
[枕]同音の繰り返し、また、霞のかかっている状態から、「春日(かすが)」「立つ」「井上...
ばん‐か【晩霞】
1 夕方に立つかすみ。夕がすみ。《季 春》 2 夕焼け。
ひと‐かすみ【一霞】
[名]ひとすじの霞。また、一面の霞。「明石潟(あかしがた)おき行く舟もかつ消えて—なる波の上かな」〈夫木・二〉
[副] 1 程度が深まるさま。ひとしお。「今—心細うあはれにて」〈増鏡・久米の...
やえ‐がすみ【八重霞】
幾重にもたちこめたかすみ。「難波潟(なにはがた)刈りふく蘆(あし)の—ひまこそなけれ春のあけぼの」〈新後撰・春上〉
ゆう‐がすみ【夕霞】
夕暮れに立つ霞。《季 春》