ざん‐か【残火】
1 燃え残りの火。残り火。 2 暁の茶事のとき、前夜からの灯籠(とうろう)の灯が、かすかに露地を照らしていること。残灯。
しい‐つ・ける【強い付ける】
[動カ下一][文]しひつ・く[カ下二]無理にすすめる。「頻に五月蠅(うるさく)猪口をすすめ悪強(わるじい)に—・け」〈露伴・いさなとり〉
しえた・げる【虐げる】
[動ガ下一][文]しへた・ぐ[ガ下二] 1 「しいたげる」に同じ。「—・げられた定基の若妻に同情し」〈露伴・連環記〉 2 うち負かす。征服する。「御方(みかた)追ひ落とされて、敵(かたき)を—・...
し‐えつ【私謁】
1 天子などに私事のために謁見すること。 2 内々の頼み。個人的な依頼。「賄路行われ—盛んなる官員仲間」〈露伴・露団々〉
しお‐た・れる【潮垂れる/塩垂れる】
[動ラ下一][文]しほた・る[ラ下二] 1 みすぼらしいようすになる。元気がないように見える。「しょぼしょぼと—・れた姿で帰って来る」〈花袋・田舎教師〉 2 衣服などが潮水にぬれて、しずくが垂れ...
しお‐ば【塩場】
1 「塩所(しおどころ)」に同じ。 2 動物がナトリウムなどのミネラルを摂取するために利用する場所。岩塩が露出した場所や湧水に伴って無機塩類が析出した場所などがある。草食の哺乳類や果実食の鳥類な...
し‐かい【尸解】
仙術によって、肉体を残したまま、魂だけ体外へ抜け出ること。「—の仙人権者の化現のようなる奇瑞(きずい)あるべき筈なし」〈露伴・新浦島〉
しかつべ‐らし・い
[形][文]しかつべら・し[シク]《「しかりつべくあらし」の音変化か》「鹿爪(しかつめ)らしい」に同じ。「一一慇懃(いんぎん)に—・く」〈露伴・辻浄瑠璃〉
し‐がく【仕覚】
[名](スル) 1 才覚。くふう。やりくり。「京へまた出て生活(くら)すように—しよう」〈露伴・椀久物語〉 2 たくわえ。用意。「三年越しの長煩ひだから—がねえと思ひなせえ」〈滑・浮世風呂・二〉
しがらみそうし【しがらみ草紙】
森鴎外が主宰した月刊の文芸雑誌。明治22年(1889)10月創刊、明治27年(1894)8月、59号で廃刊。幸田露伴・落合直文らが執筆。浪漫主義の拠点となり、文芸評論を文壇に確立した。