つか‐ふな【束鮒】
一束(ひとつか)ほどの大きさのフナ。「沖辺(おきへ)行き辺に行き今や妹(いも)がため我が漁(すなど)れる藻伏(もふし)—」〈万・六二五〉
てっ‐ぷ【轍鮒】
《「荘子」外物から》轍(わだち)の水たまりであえいでいる鮒(ふな)。危急がさしせまっていることのたとえ。轍魚。轍の鮒。
にごろ‐ぶな【煮頃鮒】
フナの一亜種。全長約40センチ。体高が低く、体は筒形に近い。琵琶湖特産で、鮒鮨の材料として珍重。まるぶな。
ふな【鮒】
コイ科の淡水魚。日本の湖沼・河川で最も一般的な魚で、コイに似るが口ひげがなく、体高が高くて側扁する。キンブナ・ギンブナ・ゲンゴロウブナ・ニゴロブナなどの亜種に分けられる。アジア大陸に広く分布し、...
へら‐ぶな【篦鮒】
ゲンゴロウブナ、また、その飼養品種のカワチブナの俗称。へら。
ま‐ぶな【真鮒】
ギンブナの別名。また、近畿地方で、ゲンゴロウブナの別名。
もふし‐つかふな【藻臥し束鮒】
《「つか」は一握りの長さ》藻の中にひそんでいる小鮒。「沖辺行き辺(へ)に行き今や妹がためわが漁(すなど)れる—」〈万・六二五〉
もみじ‐ぶな【紅葉鮒】
琵琶湖でとれる鮒で、秋・冬のころ、ひれが赤くなったもの。《季 秋》「—そろそろ比良の雪嶺かな/東洋城」
わだち‐の‐ふな【轍の鮒】
「てっぷ(轍鮒)」に同じ。