きも‐なます【肝膾】
肝を切り刻んでなますにすること。また、そのなます。「わが心にかなはば、用ひん。かなはずは、—につくらん」〈宇治拾遺・一五〉
こしかわ‐なます【越川膾】
鰍(かじか)を輪切りにして焼き、頭の部分を刻んで上に盛ってなますにしたもの。
ごしき‐なます【五色膾】
大根・人参・椎茸・油揚げなどを彩りよく取り合わせ、三杯酢であえたもの。
さき‐なます【裂き膾】
イワシを、刃物を用いず指で裂いて調理したなます。《季 秋》
ささがき‐なます【笹掻き膾】
ダイコンを笹掻きにして作ったなます。ひでりなます。
しょうじん‐なます【精進膾】
魚介類を用いないで、野菜や果物を材料にしてつくったなます。
しる‐なます【汁鱠】
魚の切り身を入れた汁。
たたき‐なます【叩き鱠】
アジ・イワシ・キスなどの身を包丁でたたきつぶし、味噌や酢味噌で和えたもの。漁船の上でつくるので、沖なますともいう。
なます【膾/鱠】
古くは、魚・貝・獣などの生肉を細かく刻んだもの。のちに、魚・貝や野菜などを刻んで生のまま調味酢であえた料理をさす。
ぬた‐なます【饅膾】
「饅(ぬた)」に同じ。