ふた‐ゆ・く【二行く】
[動カ四] 1 二度行く。二度繰り返す。「うつせみの世やも—・くなにすとか妹に逢はずて我(あ)がひとり寝む」〈万・七三三〉 2 心が二つの方向へ向かう。二心を持つ。「沼二つ通(かよ)は鳥が巣我(...
ふち‐せ【淵瀬】
1 淵と瀬。川の深くよどんだ所と浅くて流れの速い所。 2 《古今集・雑下の「世の中は何か常なる飛鳥川昨日の淵ぞ今日は瀬になる」などから》世の中の移りやすく無常なことのたとえ。「—のならい」
ふと‐し・く【太敷く】
[動カ四] 1 柱などを、しっかりと立てる。宮殿をりっぱに構える。「宮柱—・きまつり高知らす布当(ふたぎ)の宮は」〈万・一〇五〇〉 2 りっぱに治める。「飛ぶ鳥の清御原(きよみ)の宮に神(かむ)...
ふな‐ま【船間/舟間】
1 船の入港のとだえている間。「地獄もっての外の不景気にて、弘誓(ぐぜい)の船の—なり」〈洒・和漢同詠道行〉 2 船の入港がとだえて物品が入らないこと。物資が欠乏すること。「野暮(やぼ)と化け物...
ふみ‐おこ・す【踏み起こす】
[動サ四] 1 地を踏んで鳥獣などを驚かす。狩りたてる。「朝狩に鹿猪(しし)—・し夕狩に鳥踏み立て」〈万・九二六〉 2 再興する。「中ごろ絶えたる足利の家—・す」〈浄・女夫池〉
ふみ‐た・てる【踏(み)立てる】
[動タ下一][文]ふみた・つ[タ下二] 1 地面をしっかりと踏んで立つ。「四辺(あたり)は—・てられぬほど路がわるかった」〈花袋・田舎教師〉 2 物を踏んで足に突き刺す。「釘を—・てる」 3 地...
ふみ‐はずし【踏(み)外し】
1 足を踏みはずすこと。 2 正道からはずれたことをすること。また、失敗すること。「同じ様な—でもする事とせぬ事有り」〈風来六部集・飛だ噂の評〉 3 鳥を捕らえるためのわなの一。「山田の垣根に—...
ふみ‐ばさみ【文挟み】
1 文書を挟んで貴人に差し出すための白木の杖。長さ約1.5メートルで、先端の文書を挟む金具の部分を鳥口(とりぐち)という。文杖(ふづえ・ぶんじょう)。ふみさし。ふばさみ。 2 読みさしの書物に挟...
ふゆ‐げ【冬毛】
鳥獣の、秋に抜けかわった柔らかい毛。⇔夏毛。
ふゆ‐ざれ【冬ざれ】
草木が枯れはてて寂しい冬の風物のようす。また、そのような冬の季節。「—の野」《季 冬》「—や小鳥のあさる韮畠(にらばたけ)/蕪村」