ぶんかんにんようれい【文官任用令】
一般文官の任用資格に関する勅令。明治26年(1893)公布。同32年、政党勢力の官界進出を阻止しようとする第二次山県内閣によって改正、自由任用が制限された。大正期の山本内閣は再改正し、再び自由任用の範囲を拡大。第二次大戦後に廃止。
ぶんかんぶんげんれい【文官分限令】
一般文官の身分および職務の保障を規定した勅令。明治32年(1899)公布。政党勢力の伸張に伴い改正が行われ、第二次大戦後に廃止。
ぶんかんとうせい【文官統制】
防衛省で、文官である官僚が自衛官より優位に立ち、統制していた仕組み。防衛庁設置当初から、文民統制を厳格化するために制度化。内局の官房長や局長ら文官が防衛参事官として長官を補佐し、自衛隊の運用にも主導的に関与した。平成19年(2007)に防衛省となった後も維持されたが、平成21年(2009)に参事官制度を廃止。平成27年(2015)には、文官幹部と各幕僚長らの対等化が図られ、前者が事務、後者が隊務について、それぞれ大臣を補佐する制度に改められた。 [補説]廃止により、文民統制がないがしろにされるとの声もあるが、政府は、防衛大臣や内閣総理大臣が文民である国会議員(常勤の自衛官は退官しないと立候補できない)から選ばれている以上、問題はないとしている。