あき‐つ‐かみ【現つ神】
現世に姿を現している神。多くは天皇を敬っていう。現人(あらひと)神。「—わが大君(おほきみ)の天の下八島の中に」〈万・一〇五〇〉
あく‐しゅ【悪趣】
仏語。現世で悪事をした結果、死後におもむく苦悩の世界。地獄・餓鬼・畜生を三悪趣という。悪道(あくどう)。⇔善趣。
あく‐しょ【悪所】
1 山道・坂道などの険しい所。難所。 2 江戸時代、遊里と芝居町をさしていった語。悪所場。 3 生あるものが現世の悪業のむくいによって死後行くところ。「皆々御心の向けやうによりて、善所へも行き、...
生(い)き死(し)にの二(ふた)つの海(うみ)
仏語。生と死のある現世の悩みのたとえ。生死(しょうじ)の海。「—を厭(いと)はしみ潮干の山を偲(しの)ひつるかも」〈万・三八四九〉
うき‐よ【浮(き)世/憂き世】
1 《もとは「憂き世」の意》仏教的厭世観から、いとうべき現世。つらいことの多い世の中。無常のこの世。「—をはかなむ」「散ればこそいとど桜はめでたけれ—になにか久しかるべき」〈伊勢・八二〉 2 死...
うきよ‐ぞうし【浮世草子】
江戸時代の小説の一種。天和2年(1682)刊の井原西鶴の「好色一代男」以後、元禄期を最盛期として約80年間、上方(かみがた)を中心に行われた小説の一種。仮名草子と一線を画した写実的な描写が特色で...
うつし‐よ【現し世】
この世。現世。
うつせみ‐の【空蝉の】
[枕] 1 人間・世間・現世の意から「世」「世の人」などにかかる。「—世の人なれば」〈万・一七八五〉 2 蝉の抜け殻の意から「むなし」「わびし」などにかかる。「—むなしき恋に身をやかへてむ」〈新...
うわ‐つ‐くに【上つ国】
(海底の国、または地下にあるとされる黄泉(よみ)の国に対して)地上の国。現世。「—にいでまさむとし給ふ」〈記・上〉
え‐ど【穢土】
1 仏語。けがれた国土。迷いから抜けられない衆生(しゅじょう)の住むこの世。現世。娑婆(しゃば)。穢国。「厭離(えんり)—、欣求(ごんぐ)浄土」⇔浄土。 2 大便。糞(くそ)。「四条の北なる小路...