おかげで/せいで/ため(に)/せいか の解説 - 小学館 類語例解辞典

おかげで/せいで/ため(に)/せいか の共通する意味

恩恵、影響を受けて、という意で、因果関係を表わす。

おかげで/せいで/ため(に)/せいか の使い方

おかげで
▽(1)夫が家事を手伝ってくれるおかげで私も仕事を続けられるのです ▽(2)赤ん坊が夜中に泣き出したおかげであまり眠れなかった
せいで
▽同僚が急に休んだせいで残業しなければならなくなった ▽薬のせいで意識がもうろうとしている
ため(に)
▽ここは駅に近いために家賃が少し高い ▽自転車通学が許可されたため、通学が楽になった
せいか
▽(1)この丁字路は見とおしが悪いせいか、交通事故が多い ▽(2)素顔のままでいるせいか年より若く見えた

おかげで/せいで/ため(に)/せいか の使い分け

「おかげで」は、他から恩恵を受けた結果、望ましい事態が成立したことを表わし、話し手の感謝の気持ちを伴う。反対に、望ましくない事態が成立したことを表わすのは「せいで」で、その責任を自分以外の他者(人やものごと)に押しつける意味合いがある。
「おかげで」の例文(2)表例(2)のように、望ましくない事態の成立に「おかげで」が使われることもある。これは、本来なら「せいで」を使うところにわざと反対の意味の「おかげで」を使ったもので、「せいで」を使うより皮肉・非難の意味合いが強まり、話し手のマイナス感情を強調することになる。
「ため(に)」は、マイナス感情もプラス感情も伴わないため、望ましい事態か望ましくない事態かにかかわらず広く中立的に用いられる表現である。「おかげで」「せいで」にくらべて、人物に直接には続きにくく、表例(2)の場合、「あなたのいたずらのために」のように具体的な事柄を出したほうが続きやすい。また、「ため(に)」には、「結婚のために貯金する」のように、目的を表わす用法もある。
「せいか」は「せいで」よりも責任の所在が曖昧(あいまい)になった表現で、原因・理由が何なのか断定はできないが、多分そのことであろう、といった意味である。望ましくない事態の成立(例文(1))はもちろん、望ましい事態の成立(表例(1))にも、単に原因・理由がはっきりしない場合(例文(2))にも広く用いられる。表例(3)は「気のせいか」全体で慣用的な言い回しとなり、自分だけの感じ方かもしれないが、と断った上で断定を避ける表現である。

おかげで/せいで/ため(に)/せいか の類語対比表

①温暖な…過ごしやすい②あなたの…ひどい目にあった先生の…合格できた台風の…通行止めとなっている③気の…少し太ったようだ
おかげで
せいで
ため(に)
せいか

参照

ため(に)⇒ため(に)/のに/に

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