(よ)うものなら/ものなら の解説 - 小学館 類語例解辞典

(よ)うものなら/ものなら の共通する意味

順接の仮定条件を強調的に表わす。

(よ)うものなら/ものなら の使い方

(よ)うものなら
▽(1)父は厳しい人で、口答えしようもんなら、平手で打たれたものだ ▽(2)あと一時間到着が遅れようものなら、千載一遇のチャンスをのがすところだった
ものなら
▽(1)過去の時間をとりもどせるものなら、全財産を差し出しても惜しくない ▽(2)やれるものならやってみてほしいね

(よ)うものなら/ものなら の使い分け

「(よ)うものなら」は、「XしようものならY」の形で、もしXなどということを実際にしたなら大変なことになる、という意味を表わすため、Yには必ず望ましくない事柄がおかれる。また、事実とは反対の仮定をして、実際はそうでなくてよかった、という気持ちを言外に示す用法もある(例文(2))。
「ものなら」は、主に可能を意味する動詞を受ける。実現困難な事柄をあげて、その実現を希望したり期待したりする表現だが、実際には実現しないだろう、という話し手の予測が隠されていることが多い。例文(2)は、相手に何かをすることを勧める場面ともとれるが、文脈やイントネーションによっては、相手がやれないことを見越してこちらから強く出る、といった喧嘩(けんか)腰のせりふと見ることもできる。
「(よ)うものなら」「ものなら」は、くだけた言い方では「(よ)うもんなら」「もんなら」とも。

(よ)うものなら/ものなら の関連語

(よ)うことなら
願望を表わす慣用表現。「なろうことなら、一生おそばにお仕えしたい気持ちです」

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