だけに/だけあって/ばかりに の解説 - 小学館 類語例解辞典

だけに/だけあって/ばかりに の共通する意味

原因、理由として当然だという、因果関係を表わす。

だけに/だけあって/ばかりに の使い方

だけに
▽(1)彼女は気持ちが優しいだけに、困っている人を見ると放っておけないのです ▽(2)ふだん健康なだけに、入院が必要と言われたときはショックだった
だけあって
▽生き字引というだけあって何でも知っている ▽さすが本場だけあって、味は格別でした
ばかりに
▽経験がないばかりに苦労した ▽顔が似ていたばかりに犯人と間違われた

だけに/だけあって/ばかりに の使い分け

「だけに」は、「XだけにY」の形で、XだからなおさらY、の意味を、「だけあって」は、「XだけあってY」の形で、XだからやはりY、の意味を表わす。両語とも、XにふさわしくY、Xなら当然Yだと思っていたがやはりそのとおりだった、という意味(表例(1))が基本になっている。
「だけあって」の場合、何かプラスに評価できる内容をXに、そのXから見て予想どおりの内容をYにおくのが普通だが(表例(4))、「だけに」の用法はそれだけではなく、むしろ、Xから見て予想を裏切るようなYをおき、Xがあることによって一層Yが強調されるといった関係を取ることが多い(「だけに」の例文(2)、表例(3))。
「だけに」「だけあって」の両方が使える表例(2)の場合には、「だけあって」は「昔からの旧家」「しきたりが厳しい」をプラスに評価しているように感じられるが、「だけに」のほうはむしろ「しきたりが厳しい」ことをマイナスに評価しているように感じられる。
「ばかりに」は、「XばかりにY」の形で、ただXということだけが原因となってY、の意味を表わす。Yには好ましくない結果が入り、それについて話し手が後悔したり残念に思ったりしている気持ちを伴っている。

だけに/だけあって/ばかりに の関連語

だけのことはある
それだけの値うちはあり、むだではない、の意。「本を読めば読んだだけのことはあるものです」◇「だけのことはあって」の形にすると、「だけあって」と同じ意味になる。「毎朝早起きして練習に励んだだけのことはあって、県大会で見事に優勝した」

だけに/だけあって/ばかりに の類語対比表

①さすが自慢する…なかなか美しい②旧家…しきたりが厳しい③期待されていた…失敗が悔やまれる④期待されていた…目ざましい活躍を見せたこちらから言い出した…損をした
だけに
だけあって
ばかりに

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