・・・重役 五七名 二九名 六名 三名 ― 一三名 一〇名弁護士 一七名 九名 一九名 ― ― 一名 三名会社員 三名 三名 七名 ― ― 一名 二名医師 五名 一名 ― ―・・・ 宮本百合子 「一票の教訓」
・・・それはなんだったろう。医師ラヴィックの生活をとおして全面に描き出されている旧いヨーロッパの秩序の崩壊に対するやきつくように鋭い意識とその意識につらぬかれつつそれをもちこたえてゆくダイナミックで強靭な感覚と神経。「凱旋門」が日本の若い人々を魅・・・ 宮本百合子 「偽りのない文化を」
・・・生計の担当者である彼女たちの一票は少くともそれに反対する人民の意思表示となるべきであると思う。 安達ヶ原 群馬の或るところに恐ろしい人肉事件が起った。また再び詳しく話し返すに堪えない残忍な話である。今日、食糧事・・・ 宮本百合子 「女の手帖」
・・・多くの人々の上に、その作品と他の面での市民的意思表示との間の発展的な矛盾があらわれている。或いはあれとこれとの間にある距離があらわれている。鎌倉で「平和を守る会」が発足した時、川端康成のよんだ平和宣言は人々の心を打った。「絵志野」とあの文章・・・ 宮本百合子 「五〇年代の文学とそこにある問題」
・・・ ソヴェトの話が日本の話になってしまいましたが、ソヴェト社会について、何故日本の私たちが語る価値があるかといえば、ソヴェトは自分たちの意思で、自分達の幸福を守り得るような社会を作って来たからです。自分たちの目の前にあることをどう見る・・・ 宮本百合子 「社会と人間の成長」
・・・という表現も、創作方法の問題としては、あらゆる現実の生きた姿を現実にある儘の錯綜した相互関係で、動いている有様の儘そこに一定の洞察と意思を持って描くという方法と混同された不明瞭さがあった。 未熟であり、よしやある誤りを含んでいたとしても・・・ 宮本百合子 「昭和の十四年間」
・・・ 計画された意思のつよさという点で、藤村を何となし思いくらべさせる。 宮本百合子 「「青眉抄」について」
・・・ こういうふうにみてくれば菊池寛が広く読まれたというのは日本の人民の社会的批判と自分の運命についての意思がハッキリしなかったということの反映だと思います。 たとえば講談社の出版物は広く読まれているが、しかしそれが日本の人民の幸福にど・・・ 宮本百合子 「“慰みの文学”」
・・・それは、プロレタリア大衆があらゆる技術を自分のものとしようとする旺んな意思の一つの現われだ。或る時期が来れば文学を支配するものはブルジョア作家でないことは判り切っている。 これは、「ナップ」中條の一つの予想ではない。今日すでにその階梯が・・・ 宮本百合子 「文壇はどうなる」
・・・となるか、さもなければ p.102「資本主義体系の衰滅は、労働者階級の意思の意識的仕事でなければならぬ」というヒルファーディングの言葉どおり 自分ら中間勤労者をも含む資本主義体系の内的法則から起るものであるという現実を後方に押しやり、その現・・・ 宮本百合子 「「若い息子」について」
出典:青空文庫