かえりじ【返り字】
漢文を訓読する際、文字の順序とは逆に、下の字を読んだあとで、読む字。その漢字の左下に返り点をつけて示す。返し字。 [補説]「易レ学(学び易 (やす) し)」の「易」や、「宜レ慎(宜 (よろ) しく慎むべし)」の「宜」など。「宜」のように二度読むものは特に再読文字ともいう。
かえりじたく【帰り支度】
帰るために衣服や持ち物を整えること。帰る用意。
かえりしな【帰りしな】
1 帰りぎわ。「—に用ができる」 2 帰る途中。帰り道。「—に一杯やる」
かえりしょうがつ【返り正月】
正月15日のこと。小正月。もどり正月。
かえりしょにち【返り初日】
芝居などで、興行中にいったん休んだあと、同じ演目で再び開演する最初の日。
かえりしんざん【帰り新参】
一度勤めを去った者が、再び同じ所に勤めること。また、その人。
かえりだち【還り立ち】
1 賀茂・石清水 (いわしみず) 両社の臨時祭や春日祭などが終了したのち、勅使や舞人・楽人たちが宮中へ戻って神楽を演じ、宴を賜り、禄 (ろく) を頂くこと。還り遊び。還り饗 (あるじ) 。還り立ちの饗。 2 「還 (かえ) り饗 (あるじ) 1」に同じ。
かえりち【返り血】
1 相手を切ったり刺したりしたときに、はねかかってくる血。「—を浴びる」 2 (比喩的に)ある行動を起こした反動として生じる、好ましくない事柄。「増税強行によって支持率低下の—を浴びる」
かえりちゅう【返り忠】
主君に背いて敵方に通じること。裏切り。また、いったん背いた者が、再び忠義を尽くすこと。「—を、真の忠誠だと看ることは、生れ附いた人間の感情が許さない」〈鴎外・大塩平八郎〉
かえりてん【返り点】
漢文の訓読で、返り読みの順序を示すために施される符号。漢字の左下に小さく記入するもので、「レ、一・二・三、上・中・下、甲・乙・丙、天・地・人」などがある。