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・・・自分の乏しい所見によれば、ギリシアの仮面はこれほど優れたものではない。それは単に王とか王妃とかの「役」を示すのみであって、伎楽面に見られるような一定の表情の思い切った類型化などは企てられていない。かと言って、能面のある者のように積極的な表情・・・
和辻哲郎
「面とペルソナ」
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・・・付け焼き刃に白眼をくるる者は虚栄の仮面を脱がねばならぬ、高き地にあってすべてを洞察する時、虚栄は実に笑うに堪えぬ悪戯である。美を装い艶を競うを命とする女、カラーの高さに経営惨憺たる男、吾人は面に唾したい、食を粗にしてフェザーショールを買う人・・・
和辻哲郎
「霊的本能主義」