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・・・ そして、そこいら中に燈をカンカンつけた中に、小さい鐘を引きつけて、私は大変強そうに、自信あるらしい様子をして夜番を始めた。 勿論、すぐ傍には両親の寝室があり、向うの方では書生がちゃんと起きて居るのだから決して私一人なのじゃあない。・・・
宮本百合子
「盗難」
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・・・ 陰気な、表に向った窓もない二階建の小家の中からは、カンカン、カンカンと、何か金属細工をして居る小刻みな響が伝って来る。一方に、堂々たる石塀を繞し、一寸見てはその中の何処に建物が在るか判らない程宏大な家が、その質屋だと云うのである。・・・
宮本百合子
「又、家」