・・・さすがは職業組合によって直接管理されている劇場だけある。「憤怒」においては「前衛」に描写されているようないわゆる主人公はない。村の女教師がいる。貧しい女小作人がいる。その女の小さい息子がいる。党員の村ソヴェト役員がいる。これ等数人が各々・・・ 宮本百合子 「インターナショナルとともに」
・・・ 真に公の声である全日本の人々の、生きて働けるだけ食べられるように、という声に心を合わせて、人民が自分たちで責任をもって食糧の管理をやって見ようという、公の方法に、賛成しないのでしょうか。 ここでも、公のことと、私のこととが全くさか・・・ 宮本百合子 「公のことと私のこと」
・・・この判断がどんなに正当かという裏書は現に農林省の官吏たちが職員大会を開いて食糧の人民管理を叫んでいる。これらのその道の人達は自分たちの職域を通じて農林省、農会、営団を貫くからくりに通暁しているからこそ、公正な人民管理を主張しているのである。・・・ 宮本百合子 「女の手帖」
・・・それは、今どこに管理されている。日婦が、一応解散したとき一億円だかの財産があった。それも、どこかの役所にしまいこまれている。 失業者は二月下旬に五百八十三万人と云われた。これは、日本の失業統計のレコード破りである。これだけの人数が、みん・・・ 宮本百合子 「現実の必要」
・・・たとえ、イワシにしろ、今日、現実に、私たちの食膳へ配給されるようになった食糧の人民管理の方法は、共産党が生活問題解決の一歩として、既に実行で示している一つの例です。 共産党という名がきらいだわ、という婦人もどっさりあります。ほかの意見に・・・ 宮本百合子 「幸福のために」
・・・農村、都会とも、小学校はギリシア正教の僧侶に管理された。貧農、雇女の子供は中学にさえ入れなかった。猶太人を或る大学では拒絶した。「十月」は、翻る赤旗とともに、すべてこういうプロレタリア、農民への重石をはねのけ、猛然と文盲撲滅をはじめた。・・・ 宮本百合子 「五ヵ年計画とソヴェト同盟の文化的飛躍」
・・・或る汽罐車製造工場が労働者あがりの工場管理者によって管理されている。工場の技師、関係トラストの支配人、古参な職長一味が何とかして、ソヴェト権力の認めた労働者の工場管理権を、自分達の手で、ブルジョアへ奪還したいと思う。反革命的策動が組織された・・・ 宮本百合子 「五ヵ年計画とソヴェトの芸術」
・・・ 生産の国家管理! 階級なき新日本の創設! などとスローガンが並べられ、人民を武装蜂起に挑発している。 スローガンだけあるが、生産を国家管理にするといっても、それはどういう国家がどう生産を管理するのであるのか、階級なき新日本と云っても、・・・ 宮本百合子 「刻々」
・・・ 江井のことについて心配して居ましたが、向島の西村の土地が空であったので、そこへ四十室ばかりのアパートが落成し、江井はその管理人兼十何年か後の所有者として生活しはじめました。 車はプリムスをドイツ製オープンのアドラーに代え、国男自身・・・ 宮本百合子 「獄中への手紙」
・・・ 実際に世界の平和と日本の自立の為には、日本管理に関係のあるソヴェト同盟、中華人民共和国、その他オーストラリヤ、イギリスその他の国々の同意がなければなりません。 私達はうっかりしていて、思いもかけない事になるような講和は御免です。・・・ 宮本百合子 「今年こそは」
出典:青空文庫