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・・・人事については家柄に頼らず、一々の人の器用忠節を見きわめて任用すべきことを力説している。戦争については、吉日を選び、方角を考えて時日を移すというような、迷信からの脱却を重大な心掛けとして説いている。その他正直者の重用を説き、理非を絶対に曲げ・・・
和辻哲郎
「埋もれた日本」
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・・・いかに人形使いの手先が器用であるからといって、人形に無限に多様な動きを与えることはできない。手先の働きには限度がある。そこでこの限度内において人形を動かすためには、不必要な動作、意味の少ない動作は切り捨てるほかはない。そうすれば人の動作にと・・・
和辻哲郎
「文楽座の人形芝居」