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・・・しかし必ずしも悔いはしない。浅薄ではあっても、とにかく予としては必然の道であった。そうしてこの歯の浮くような偶像破壊が、結局、その誤謬をもって予を導いたのであった。――予は病理的に昂進した欲望をもって破壊に従事した。行き過ぎた破壊は予を虚無・・・
和辻哲郎
「『偶像再興』序言」
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・・・自分の醜さに堪えられぬほどの恥ずかしさを感ずることも稀ではない。悔いなきことを誇りとしたのは、もう過ぎ去った事である。やがてまた悔ゆることなき生活に入りたいという要求はあるが、それにはまず我を滅して大いなる愛の力に動く所の自分になっていなく・・・
和辻哲郎
「自己の肯定と否定と」