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・・・わたしも人間にはもうこりこりしてるんだから。おいでよ。そら。」 なんてねずみを呼びかけますが、ねずみはみんな、「へん、うまく言ってらあ。」とか、「へい、へい。よくわかりましてございます。いずれ、おやじや、せがれとも相談の上で。」・・・
宮沢賢治
「ツェねずみ」
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・・・そして明晩城に火をかけるからお前達は逃げてこいという密使がきたわけですが、その時に女の人は何と申しましたかといえば、私はもう女として生きることはこりこりだ、自分は今までに二度結婚させられている。初めはやはり人質としてよそへ片づけられたが、そ・・・
宮本百合子
「幸福の建設」