・・・ この理想が実現せられるとして、教案を立てる際に材料と分布をどうするかという問に対しては、具体的の話は後日に譲ると云って、話頭を試験制度の問題に転じている。「要は時間の経済にある。それには無駄な生徒いじめの訓練的な事は一切廃するがい・・・ 寺田寅彦 「アインシュタインの教育観」
・・・それで、これも不思議な錯覚の一例として後日の参考のためについでに書添えておくこととする。 寺田寅彦 「ある探偵事件」
・・・その時に心づいた事を後日のための備忘録としてここに書き止めておきたいと思う。ことによるとこんな事はもうとうにだれかが言いふるした陳腐な議論かもしれない。もしそういう文献に通じた読者があったら教えを請いたいと思うのである。 私の調べてみた・・・ 寺田寅彦 「浮世絵の曲線」
・・・これは監督苦心の産物かもしれないが、効果は遺憾ながらあまり上乗とは思われない。後日「モロッコ」を作る場合にはこの道化師までもみんないっしょに太鼓とラッパの音の中へたたき込んでしまったものと思われる。 俳諧連句については私はすでにしばしば・・・ 寺田寅彦 「映画雑感(1[#「1」はローマ数字、1-13-21])」
・・・ この作業仮説の正否を吟味しうるためには、われわれは後日を待つほかはない。もし他日この同じ地方に再び頻繁に地鳴りを生ずるような事が起これば、その時にはじめてこの想像が確かめられる事になる。しかしそれまでにどれほどの歳月がたつであろうかと・・・ 寺田寅彦 「怪異考」
・・・一つにはまだ年が行かない一人子の初旅であったせいもあろうが、また一つには、わが家があまりに近くてどうでも帰ろうと思えばいつでも帰られるという可能性があるのに、そうかと云って予定の期日以前に帰るのはきまりが悪いという「煩悶」があったためらしい・・・ 寺田寅彦 「海水浴」
・・・風邪を引いた代りにレーリーがずいぶん骨身にしみて後日の役に立った。 楽しみに学問をするというのはいけないことかもしれないが、自分はどうも結局自分の我儘な道楽のために物理学関係の学問をかじり散らして来たものらしい。尤も、そうすることによっ・・・ 寺田寅彦 「科学に志す人へ」
・・・姑にいびられた嫁が後日自分で姑の地位に立った場合には綺麗に昔の行届かなかった自分を忘れてしまうように、自分が審査員になる頃にはたちまち全能の神のような心持になる、ということも全然この世にないとは限らない。これは各自の反省すべき点であろう。可・・・ 寺田寅彦 「学位について」
・・・ コマ型、タラ型、フジ・クジウ型、ユワウ型についても同様なことが言われるのであるが、これらは後日さらに詳しく考えてみたいと思う。今回は紙数の制限もあるので以上の予備的概論にとどめ、ただ多少の見込みのありそうな一つの道を暗示するだけの意味・・・ 寺田寅彦 「火山の名について」
・・・それはとにかく、後日理化学を修めるようになってから私の興味はやはり自然に地震現象の研究という方に向かって行った。そうして自分でその後この現象の研究を手がけるようになってからは、もう恐怖の感じは全く忘れたようになくなってしまった。もちろん烈震・・・ 寺田寅彦 「家庭の人へ」
出典:青空文庫