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・・・だから原敬を暗殺した中岡良一が死刑に処せられないときまったとき、父は驚喜して当時の裁判長を名判官とたたえた。かくのごとく父は、私利をはかって超個人的道義的任務を忘れたものをすべて腐敗せるものとして憎悪する。自己の身命を超個人的道義的任務に捧・・・
和辻哲郎
「蝸牛の角」
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・・・「人はすべて死刑を宣告せられている、ただ死刑執行の日がきまらないだけだ」という言葉がある。これは Man is mortal を言い換えたに過ぎないが、しかし特に私の胸を突く。そうだ、ただ日がきまらないだけだ。死の宣告はもう下っている。・・・
和辻哲郎
「停車場で感じたこと」