・・・ 画かきや作家等は一ヵ月の収入が不定だから、毎月の収入を届け出て、それに依って毎月家賃でも凡ての生活費の支弁率が変って来る。例えば作家クラブ等では、団体に属している作家は半額で食堂の食事が食べられる、五ルーブルの食事が二ルーブル半で出来・・・ 宮本百合子 「露西亜の実生活」
・・・明瞭な悪意がないと云うことと、しかも所有権被震撼者が神経消耗をやったあげく時には五日もかかる自動車修繕代を支弁しなければならぬと云うところに娯楽の現代漫画性がある。「賃金は低下されなければならぬ」ボールドウィン。「然り、だが仲裁・・・ 宮本百合子 「ロンドン一九二九年」
・・・軍需産業補償金があるならば、その金こそ、戦死者未亡人その家族の生計保償のために、戦災者の生計立て直しのために、公明正大に支弁されるべきだと思うのは、誤った考えであるだろうか。 今日、日本には五百八十三万人の失業者があると、モラトリアム公・・・ 宮本百合子 「私たちの建設」
出典:青空文庫