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・・・ 巻中に名を烈している一行は洒落翁、国朝、仙鶴、宗理、仙廬、経栄、小三次、国友、鳶常、仙窩、料虎、按幸、以上十二人である。洒落翁は竜池であろう。この中に伊三郎がいたそうであるが、その号を詳にしない。香以は「親爺の供をしては幅が利かぬから・・・
森鴎外
「細木香以」
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・・・昔の和歌に巧妙な古歌の引用をもって賞讃を博したものがあるが、この種の絵もそういう技巧上の洒落と択ぶ所がない。自己の内部生命の表現ではなく、頭で考えた工夫と手先でコナした技巧との、いわばトリックを弄した芸当である。そうしてそのトリックの斬新が・・・
和辻哲郎
「院展日本画所感」