・・・ 青年論その他の形で旺に討論せられるヒューマニズム論は、自然、良心的市民全般の生活態度への示唆として注目をひきつけずにはいなかったのであったが、残念なことに、多くのヒューマニズム提唱者は、それぞれの持論の内に、第三者が直ちにそれをもって行・・・ 宮本百合子 「今日の文学の展望」
・・・と、七、八月『時論』にのった山口一太郎元大尉の二・二六事件の真相「嵐はかくして起きた」「嵐のあとさき」をよみくらべた人はそこに不可解な一つの重複というか、複写版というか問題があることに気づかずにいられなかっただろう。山口一太郎氏の二篇の実録・・・ 宮本百合子 「作家は戦争挑発とたたかう」
・・・家が王党であったにも拘らず小説に描いた現実は当時のフランスの歴史を進歩の方向で反映している、即ち作家の社会的見解などにかかわらず、小説はそのものとして進歩的なものであると云う文芸復興提唱者たちの日頃の持論を裏づけるところに置かれた。歴史的な・・・ 宮本百合子 「昭和の十四年間」
・・・従って、実力以上の負担を負うのは気の毒ながら何とかして町との均衡を保つために一つ私の考える事、持論があります。 ちっと話が大きくなりますが」――彼は大鉢の縁で煙草の灰を叩き落した。「つまり此の大神宮を昇格させようとする事なのです。そ・・・ 宮本百合子 「日記・書簡」
・・・ 法学博士横田喜三郎氏が、『時論』五月号の評論に詳細に述べておられるとおり、第二次大戦で直接国土に戦禍をうけなかった国はアメリカだけである。アメリカは第一次大戦においても同じ幸運を保った。第二次大戦では軍人だけの損失が一五〇〇万人とされ・・・ 宮本百合子 「平和への荷役」
出典:青空文庫