・・・ それから、ソヴェトでは女が生産単位としては全然男と対等な権利を有って、経済的に独立している。生産単位として女が全く男と同じ地位にいるという点で、その余のいろいろなものが、変って来るのは当然のことで、ただ他の国の婦人参政権、あれとソヴェ・・・ 宮本百合子 「ソヴェト・ロシアの素顔」
・・・市民生活の単位として。勝手にされぬ砦として。 これは極めて大きいテーマである。イギリスにおいて、ミルトンの一夫一婦 純潔な家庭を称揚したパラダイス ロストフランスの人々も家庭というものの幸福のために坊主の追放を考えた。p.72のルカ・・・ 宮本百合子 「バルザック」
・・・生産単位として男と同じ熟練技術者をつくろうとは決してしない。 あらゆる分野で、男より低廉な賃銀で過労し、母性の重荷を負った不熟練技術者としての婦人を準備しつつある。その社会的な弱点を改正しようとしないで、女は、女は、と女のおくれをせめつ・・・ 宮本百合子 「プロレタリア婦人作家と文化活動の問題」
・・・ 一銭という銭の単位は、数千万の金額の土台である。何百億という狂気めいた予算が丸のみされて、戦争は進められたのだが、その数億にしろ、現実には一銭なしにはじまらないのである。字面を万単位にしたいかめしい政府の計算にしろ一円は百銭である、と・・・ 宮本百合子 「郵便切手」
・・・は、家庭を単位として扱われることになり、そこには夫と妻と子供たちとのひとかたまりが、基本として考えられるようになった。「家」の嫁は、はっきりと夫の妻、子の母、としての立場で認められることになって来た。 離婚において、これまでは妻の側から・・・ 宮本百合子 「離婚について」
・・・ それ故労働組合運動は経済単位としての英国国家組織のなされる提案に密接な関係をもって従わなければならぬ。」ソラ、巡査が手をあげたぞ!今のうちだ。つっきれ! が、日本の新聞までその写真をのせるパレスタインの「欺きの・・・ 宮本百合子 「ロンドン一九二九年」
・・・その家族を単位とした社会の生活の中で、また家族の生活そのものの中で女はどういう位置を占め、今日までの歴史を生きつづけて来ているのであろうか。昨今は、日本の女と家庭の結びつき、母としての女が女の最上の生き方であるという考えかたが強められて来て・・・ 宮本百合子 「若い婦人のための書棚」
・・・ソヴェト連邦は新しい社会の機構によって、婦人の性を妻、母として保護しつつ、社会的にますます人間性の高められた複合単位として経済的、政治的、文化的に男女一対の内容を育てつつある事実は、世界の進歩的な男女に、男と女との恋愛や結婚の幸福の土台とな・・・ 宮本百合子 「若き世代への恋愛論」
出典:青空文庫