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・・・暫くして、彼は持ち馴れた下駄の台木を眺めるように、割れた仮面を手にとって眺めていた。が、ふと何んだかそれで立派な下駄が出来そうな気がして来た。すると間もなく、吉の顔はもとのように満足そうにぼんやりと柔ぎだした。・・・
横光利一
「笑われた子」
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・・・たといそういう政治家が官僚の中から出たとしても、すでに議会が開けた以上は、代議士さえ聖旨にかなうような人であれば、そういう違勅の政治家を駆逐することができたはずである。しかるに同じく聖勅に違背するような不忠な代議士が選出された。明治大帝は「・・・
和辻哲郎
「蝸牛の角」