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・・・相当の理由があって第一位に置かんとならば、相当の理由があって等差を附するならば差支ない。ただしできるかできぬかは疑問である。 これらの条項に差等をつけると同時にこれらの条項中のあるものは性質において併立して存在すべきも、甲乙を従属せしむ・・・
夏目漱石
「作物の批評」
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・・・水野精一君たちの精密な実地踏査が始まったのもそのころで、その成果『雲岡石窟』十五巻の刊行が終わったのは、つい数年前のことである。これで雲岡遣蹟の紹介の仕事は完成したといってよいが、しかしそれは伊東博士が撮影して来られてから、半世紀たってのこ・・・
和辻哲郎
「麦積山塑像の示唆するもの」